2010/4/27(火) 18:00〜 日生劇場 滝沢歌舞伎

新橋演舞場でスタートし、5年目の今年から会場を日生劇場に移して、「滝沢演舞城」から「滝沢歌舞伎」となったタッキーの舞台。
飲食プロデュースは、残念ながら今回からなくなってしまいました。

オープニングは、幕が上がる前から、黒人ダンサー二人が客席に出てきて、お客をいじる。
まだ来ていない人の席に座ったり、お客さんの傘を開いたり。
ステージには、最初から蓄音機が置かれていたが、そこから曲が流れ出す。
ムードのある曲では、一人が客席の女性にキスしようと迫ったり・・・(綺麗な方が前列にいましたからね)。
それを遮るように、ステージに残ったもう一人が、音楽を切り替える。
そんな感じで3曲目か4曲目くらいで、タッキーの曲が流れ出す。
幕が上がると、最初は映像が流れ、タッキーの影からJr.の影が次々出てきて、ステージに並ぶ映像。
そしてやっと、本物のJr.が登場。ステージ前や客席通路に、ズラリと並ばれたので、前寄り通路側の席だった私は、なんだか取り囲まれている感じがして、ちょっと恥ずかしかったです。
皆が賑やかに、ステージ上で踊りだす。
今回は、「歌舞伎」ということを意識したようで、女性ダンサーはいなかったです。
黒人ダンサー以外、全部Jr.かと思っていたら、パンフを見ると男性ダンサーはいたようですが。

山鉾が開いて、タッキーがフライングで登場。
日生劇場は、ステージ上しかフライングできず、帝劇や新橋演舞場のように客席の上を飛ぶことはできないのですが、その分ステージが客席に近くなっていました。
オーケストラ・ボックスの部分、中央が張り出しステージに。その両脇が桟敷席となっていました。

みんなで格好よく踊った後、一人ひとり、Jr.が自己紹介。MADの松崎くんの挨拶は、変な間があって、笑いが起こっていました。屋良くんが着物風の衣装を着ていたので「七五三じゃないよ」と言っていたのが、ちょっと笑った。その屋良くんの紹介で、タッキーが登場。
Jr.たちがはけ、ちびっ子Jr.が出てきて、タッキーと一緒に影絵遊び。
「タッキーおじさん、僕もやっていい?」と言われたタッキーは、「タッキーちゃんだろ?」と強制的に、「タッキーちゃん」と呼ばせる。
義経の時は、戸塚くんたちとやっていましたが、今回はちびっ子たちが、場面の解説も担当。急須で飲む影絵には、「何を飲んでいるのかなあ」「豆乳」という珍回答も・・・。

その後、忠臣蔵。吉良役が河合くん、戸塚くんが浅野内匠頭。切腹シーンで、裃を引き抜き、着物の前を肌蹴るのが、ちょっと「おお〜」って思ってしまった(笑)。
タッキーは当然主役の大石内蔵助であると思われますが、衣装などは全然それらしくない。先頭で戦っているので、多分そうだろうな・・・という感じ。河合くんの吉良も、超元気で、タッキーと思い切り戦っています・・・。吉良はお年寄りで、討ち入りの時は蔵に隠れていたイメージですが(^^;
忠臣蔵の最後、オーケストラ・ボックスの張り出しステージがプールになり、タッキーと河合くんが中に入って、激しくきり合うとき、客席に結構水が飛びます。
前2列はビニール・シートが配られていました。私はシートはない席でしたが、ちょっとかかって、ラッキー?
この辺だったか、戸板の上にタッキーが乗って、バタッと倒す演出あり。城でもやっていましたが。間近で見たので、直前までJr.が押さえているんだな・・・というのが判りました。前はステージの奥でやっていたので、みんな手を離しているのかと思っていた・・・さすがにムリか。それでも、一人が手を添えているだけなので、スゴイことには変わりないですが。

MASKは、マスク・チェンジをするタッキー(顔が見えないので、ずっと本人かどうか不明ですが)は、最初舞台奥にいて、前面では屋良くんが踊っています。シーンの最初は、屋良くんのロボットダンスだったと思うけど、相変わらず、キレてます(笑)。
後半は、ステージの前に出てきて、観客の目の前で、一瞬でマスクが変わるイリュージョンを披露。

Jr.が全員、上半身裸で登場し、和太鼓。最初は、トッツーのソロでしたが、後で福ちゃんたちが真似して、「トッツーのあの場面(バチを持った手を上げたところ)を、ストラップにしたい」「髪がサラサラのところもちゃんと表現してほしいよね」なんて話していたりも。
Jr.たちが順番にライトアップされながら、太鼓を叩いていくのですが、屋良くんもドラムのソロがあるので、ちょっと驚きました。屋良っち、そんなことも出来たの?!と思いましたが、このために練習したんだそうです。スゴイですね・・・。

その後の「REVENGER」はカッコよく全員でダンスだったと思います。

タッキーが白塗りを初め、その手前で、オーケストラ・ボックスの辺りを福ちゃんと辰巳くんが掃除をしながら、フリートーク。
「みなさん、滝汁、かかりましたか?」「お肌にいいですからね」「見た、あの筋肉・・・パーフェクト・バディになれますから」「2階席は・・・それは、ウソだな」「でも、座長は2階まで飛ばすって言っていましたから」などと言いながらモップで掃除をし、「じゃあ、いよいよ、滝汁搾ります!」と言いながら、モップを搾ったりしていました。
観光ガイドが外国人観光客を案内している風に出てきて、タッキーの白塗りを見物させ、
「あっちで翼歌舞伎っていうのをやっているようです。フラメンコと歌舞伎のコラボですって。あっちの方が面白いみたいですから、あっちに行きましょう」と言いながらハケ、タッキーが「行っちゃうんだ」的なジェスチャーをしたり。
松崎くんは黒子の格好をして、タッキーと絡んでいました。

お子様Jr.(スノープリンスの子?)がこの舞台の主題歌とも言える「WITH LOVE」を歌う。
歌の途中から、昨年同様の女装Jr.による舞がスタート。
お嬢様のフリをして、呉服屋から金を巻き上げようとする・・・バレると盗賊だと見得を切る・・・という芝居もほぼ同じ。
このキャストは、当初から変わっていないと思うのですが、担当Jr.が段々年齢が上がってきて、女装が似合わなくなってきている・・・(^^; この場面自体は好きなのですが、キャストは考えた方がいいかもね。
番頭役の松崎くんが、女装のJr.にラブラブなそぶりをして、「男でも、いい〜」と叫んだりして、ウケていました。
最後、ハゲヅラを被ったJr.の小坊主さんたちも出てきて、笑えるシーンになっていました。

本格的道成寺。
後ろには裃をつけたJr.がズラリと並び、それぞれ鼓を打ったり、三味線を弾いたり、歌ったりとお囃子をする中、タッキーが舞います。
本物は見たことないですが、TVで見た本当の歌舞伎のシーンそっくり!と思って見ていました。
八百屋お七は、人形浄瑠璃(?)で前説。
松崎くんともう一人で、最初人形を動かし、ちびっ子Jr.が歌と三味線をやりながら、前段の話を語る。
その後、人形と入れ替わるようにしてタッキー登場。「あの人の命を救うため」とか言っていたので、従来のお七とは違うような。火の見やぐらに登って、その着物の裾がやぐらの下まで続く演出は昨年もあったと思いますが、よりステージが近かったので、すぐそこまで裾が・・・と感じました。

屋良くんが洋装で出てきて、そこにタッキーが弾く琴の音が聞こえてくる。
屋良くんがタッキーをエスコートして、ステージ中央に連れてきて、キスしようとすると、タッキーがくもの糸を投げつけて逃げる。例の屋良くんとのラブシーン。
二人の顔が近づくところより、屋良くんがタッキーの肩を抱くようにして連れてくるところの方が、雰囲気あった気がします(^^)

後半は、今までは大河の流れで源義経をやっていましたが、今回はガラリと変わって平将門になっていました。
今回も、タッキープロデュースとみられる、ホラー映像からスタート。
登場したJr.(私は知らない子でしたが、どうやら山本亮太くん/They武道だったようです)が、家の屋根裏部屋で古い刀を見つけ、それに触ってしまうと・・・。
その少年が現代から過去にタイムスリップした・・・かのような感じに、物語に入っていっていました。

最初は、平安貴族の格好をしたJr.達が次々と登場し、「極悪人、平将門」などと、口々になじる。
みな将門を恐れ、討ち取ろうとするが、将門は多くの影武者を使っており、討ち取ったと思ってもまた蘇る。

屋良くんは、朝廷の手先となって、将門を討ち取ろうとする半三役。
身分の低い家に生まれた半三は、出世しようと朝廷の手先となり、親に見捨てられた似たような境遇のごろつき達と、金のためなら自分が生まれた村さえ焼き払うが、女郎屋に売られた妹を見受けしたいと願っていたりもする。

タッキーと屋良くんが対決し、半三が将門を討ち取ったと思うが、実はそれは影武者で、本物の将門を討ち取ることはできなかった。
この辺りだったか、ドリボでやっていた、フライング&映像での場面あり。
ドリボでは、ビルからビルに飛び移っていましたが、将門では、川にかかる長い橋の上を走り回るシーンを上から見ている感じの場面・・・。
将門と半三だけでなく、他の追っ手も大勢一緒にフライングしているのが、ちょっとすごかったです。

将門には、三郎と五郎という、二人の忠実な部下がいるが、二人とも内心将門を恐れている。
安倍清明と将門が対決・・・辺りがよく判らなかったんですが〜(^^;
清明が陰陽師で、将門が呪いで対決?
清明と言えば、映画で野村萬斎さんが演じたのが格好よかったですけど、この舞台の清明さんは、ただ立って台詞を喋っているだけで、特に技とかは使ってなかったです。

最後の対決前、将門タッキーと、最後に残った忠実な部下、河合くんのアドリブ・シーンがありました。
せり出し舞台に二人が座って、やり取り。滝「おまえ、気持ち悪い」 河合「気持ち悪くないですよ。ピチピチです」とか言ったり。
タッキーが「(お客さんの)爪が伸びていないか調べてこい」と言ったのに、「え、僕がですか」とかぐずぐず言う河合ちゃん。
滝「黙って調べろ」 河合「黙ってですか? それ、ペットにエサをやらないくらい、大変なことなんですけど・・・」と言いながら客席に折り、「失礼しま〜す」と言いながらお客さんの爪を調べた河合くん。「キラッキラですよ!」などと言っていました。

最後は、三郎と五郎も将門を裏切って朝廷側につき、将門の元に残ったのは、影武者の河合くんだけ。
義経の時は敵方だった河合くんが、今回は弁慶的な役回りになっていました。
激しい殺陣のシーンが続き、最後は周りをぐるりと敵に囲まれて、一斉に攻撃される・・・という最後でした。
後半にもあった水濡れシーンは、ここだったか・・・タッキーと屋良くんが、またプールに入って水の中で戦いますが・・・前半ほどは飛ばしてなかったです。
一人残った将門さまは・・・なんだか夢の中?のような、雪がチラつく中、一人ゆっくりと果てる。
倒れた将門さまの上に、ドザザ〜〜!!と雪が大量に降ってきて、その姿が見えなくなって、場面転換。

最後は全員で「WITH LOVE」。
今回も手話だと思うのですが、手の振り付けあり。

今回から会場・タイトルとともに内容が激変・・・。1回しか見なかったので、記憶が大変曖昧ですみません。
最初、いきなり黒人ダンサーが登場して、確かに洋風テイストでしたが、日生劇場にお客さんが入ってくるところから考えての演出だったようで。
タッキー主導の演出だったそうですが、本当に革命もやりながらよく作り上げたな・・・と思います。
今回は、小さい子供もOKの特別公演日があったのですが、通常と違うプログラムだったようで・・・よく考えれば予想できたのに〜深く考えていなくて・・・ちょっと見たかったです。
次回までには、将門をもうちょっと勉強しておこうかな〜。帝都物語なんかで出てきたイメージしかなくて。
義経との違いを出すため、ヒールな部分を前面に出した将門にしたようです。でも、実は民衆の味方だった・・・というようなナレーションが入っていました。
城よりは、構成がややシンプルになり、じっくり見せる方向になっていたかな。
新橋演舞場では、ステージの奥行を感じましたが、今回は前に飛び出してくる感じがありました。前回の方が、物理的には飛び出していたんですけどね〜。
今後も、革命・歌舞伎の年2回体制が続くようなので、来年も楽しみです。

2010.5.7 asian